ロコモラボ | 宝塚市中山寺の整形外科 しばたに整形外科クリニック | 整形外科 リハビリテーション科

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ロコモラボ

しばたに整形外科クリニック ロコモラボ

第5回 『ロコトレ:スクワットでありがちな間違い! vol.3』

しばたに整形外科クリニックの院長、柴谷です。こんにちは。
前回、「2.膝の角度」についてご紹介しました。今回は「3.お尻の位置」ついてご説明します。

3.お尻の位置

トレーニングの経験がない方(患者さんの多くはそうなのですが)にスクワットをやってもらうと、ほとんどの方は体幹を立てたまま膝だけ曲げる動きをされます。お尻の位置が垂直に落ちるだけと言い換えてもいいかもしれません。 そういうトレーニングもないわけではありませんが、スクワットとしては間違いです。「お尻が垂直に落ちるだけ」のスクワット、結果的に膝だけが前に出ていく形になります、は大腿四頭筋(太もも前面の筋肉)には刺激が入りますが、大腿四頭筋だけに負荷がかかるため膝蓋大腿関節(お皿の裏側の関節です)が強く圧迫されてしまい、膝の痛みを発生させる原因になってしまいます。

正しいスクワットはお尻を後ろに突き出していくように膝を曲げていく、まるでそこに椅子があって、その椅子に座ろうとしているみたいに腰を下ろしていくという動作です。相撲取りが四股を踏む際に両手を膝に当てて腰を落とす瞬間がありますが、まさにあの要領です。「スクワットではお尻を後ろに突き出す」、というのが3つ目のポイントとなります。

以上、3回に分けてスクワットの要領をご案内しましたが、文字で説明するとわかりにくいと感じる方も多いと思います。だから診察室でスクワットの指導をする際には患者さんの年齢や症状に合わせてイメージで理解していただけるよう心がけています。
患者さんによっていろいろ例え方を変えていますが、以上3つの要点は必ず外さないようにしています。

第4回 『ロコトレ:スクワットでありがちな間違い! vol.2』

しばたに整形外科クリニックの院長、柴谷です。こんにちは。
前回、「1.足の幅(スタンス)」についてご紹介しました。今回は「2.膝の角度」ついてご説明します。

2.膝の角度

膝の角度というと、まず曲げる角度を連想されるかと思います。通常は太ももが水平になる深さまで落とすと指導されますが、当院では「曲げれるだけ落とす」と説明します。それはなぜかと申しますと、変形性膝関節症などで元々可動域が制限されている、脚力が弱くてあまり落とせない、などの条件を前提にしているからです。太ももを水平にできればいいのですがいきなり無理強いしても危ないだけです。太ももを水平になるまで落とすスクワットは「フル・スクワット」といいます。当院では「フル・スクワット」ではなく、途中まで落とすだけのいわゆる「パーシャル・スクワット」を指導させていただいています。
次に膝の向く角度についてです。これは「つま先と同じ向き」です。お皿(=膝蓋骨)がつま先のほうに向いているように維持しながら腰を落としていきます。そうしなければ、深く曲げた時に膝の中で捻じれが生じてしまい、痛みの原因になります。

この間違いは特に女性に多い傾向があります。女性は股を閉じる癖がついています。行儀作法としては正しいのですが、スクワットは正しく行うと股をがばっと開けている格好になります。ですので、当院ではスクワットだけは「男っぽく」行ってくださいとお伝えしています。

第3回 『ロコトレ:スクワットでありがちな間違い! vol.1』

しばたに整形外科クリニックの院長、柴谷です。こんにちは。
前回、「スクワット」についてご紹介しました。今回はスクワットを行う上での注意点についてご紹介します。スクワットで気を付けなければならないポイントをもう一度おさらいします。それは・・・

  • 足の幅
  • 膝の角度
  • お尻の位置

です。

1.足の幅(スタンス)

一般的には「肩幅くらい」と言われます。鍛えたい筋肉によって多少スタンスは変わりますが、私は肩幅よりももう少し広めがいいと考えています。なぜならば、患者さんに「肩幅で立ってみて」というと大抵スタンスが“狭い”のです。ですから肩幅より広く立ってとお伝えしています。

ではなぜ狭いと良くないのでしょうか。いや良くないわけではないのです。ただ狭いと大腿四頭筋(太ももの前側の筋肉)に刺激は入りやすいですが、殿筋やハムストリング(太ももの裏側の筋肉)に刺激が入りにくくてもったいないのです。そして、大腿四頭筋にばかり刺激が入っていると膝蓋骨(いわゆる“お皿”)と大腿骨の間の関節に負荷がかかりすぎて膝が痛くなることがあります。

スクワットは本来、下半身をまんべんなく鍛えられるトレーニングです。時間と体力が有り余っている人ならいろいろ手を変え品を変えトレーニングすればいいのですが、「ロコモ」の方たちは、時間はともかく体力は弱い傾向があります。だから、どうせなら効率のいいスクワットで一気に片づけてしまいたいという魂胆です。それに殿筋を鍛えれば体幹を立てる力も付きます。ということは姿勢もよくできるかもしれませんね?

というわけでクリニックで指導しているスクワットのデフォルトは、スタンス肩幅よりちょい広め、ということにしています。

第2回 『ロコトレ:スクワットはトレーニングのテッパン!』

しばたに整形外科クリニックの院長、柴谷です。こんにちは。
前回、「ロコモ」についてご紹介しました。今回はロコモ対策の運動についてご紹介します。
ロコモとは「運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態」です。ということは移動機能の改善こそがロコモ対策ということになりますね。要するに足腰をどれだけしっかりさせるか、ということです。もちろん足腰の衰えの程度は人によります。ラジオ体操やフラ、太極拳など様々なエクササイズが考えられますが、手軽に取り組めるものとして「ロコモチャレンジ」という日整会公認公式ホームページで「ロコトレ」という運動メニューが紹介されています。

片脚立ちとスクワットの二本立てです。お手軽ですね。バランスメニューで片脚1分ずつ3セット。スクワットも5,6回ずつ3セット。全部几帳面に頑張ってもせいぜい10分くらいです。暇つぶしにもなりませんね。これで健康寿命が延びるならありがたいことです。ぜひやりましょう!

ところがですね、このスクワット。これをやったがために膝が痛くなった、腰が痛くなったと時々患者さんから相談を受けることがあります。で、どのようにやっていたのか実演していただきましたら、だいたい問題点が共通しています。

  • 足の幅
  • 膝の角度
  • お尻の位置

です。

どういうことかな?と興味を持たれた方は次回をお楽しみに。話せば長くなるので区切ってご説明していきます。

第1回 『ロコモとは?』

はじめに

しばたに整形外科クリニックの院長、柴谷です。こんにちは。
ロコモラボ、ロコモを考えるラボと言えば少し大仰ですが、要するに運動器にまつわるお話を思いついたままにあれこれ発信していこうかなという趣旨です。お付き合いください。

ロコモとは?

そもそもロコモって何ですか、ということですが、これは「ロコモティブシンドローム」という運動器の機能が低下して介護が必要となるリスクがある状態のこと、要するに足腰が弱ってきている状態のことを指す概念の略語です。ちなみにラボはラボラトリー、実験室、研究所という意味です。

ロコモになるには身体にどういったことが起こっているのでしょう。大まかに述べますと「運動器自体の疾患」と、「加齢による運動器機能不全」です。骨粗鬆症や変形性関節症、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの疾患と加齢に伴う筋力低下やバランス能力の低下などです。どれも非常に困った問題です。これらは年齢を重ねると誰しもこの問題が生じてきます。

昔、日本人の平均寿命は敦盛ではないですが約50年でした。足腰が弱る前に何らかの原因で亡くなっていたわけです。しかし戦後の医学の進歩や社会の発展によって平均寿命が延びてきました。様々な疾患が克服され、人の寿命が延びると社会の高齢化が進み、足腰が弱って日常生活で不便を生じるといった問題が大きくなってきました。でも皆が一様に弱っていくわけではなく、寝たきりになってしまう人もいればエベレストに登ってしまう人もいたりで、個人差があることも事実です。この差はいったい何でしょうか。

歳をとることは避けられません。しかし少なくとも年齢なりの衰えはあってもトレーニングで衰えの進行が抑えられる要素はあります。ロコトレなどに代表される筋力訓練、バランス訓練などがそれです。ある意味「アンチエイジング」の取り組みともいえます。 次回からは体操を中心に少し掘り下げてみたいと思います。